お葬式を友引に行うのはNG?葬儀の日取りと注意すべきポイントを解説
公開日:2023/12/20
更新日:2024/05/27
● お葬式の日程についてお悩みの方
● 友引や仏滅などの六曜とお葬式の日取りの関係について知りたい方
● 宗教ごとの六曜との関係性を知りたい方
● お葬式の日取りを決める際の注意点を知りたい方
お通夜やお葬式は、故人との別れを偲ぶ大切な儀式であり、日取りの決定にも十分な配慮が必要です。しかし「友引の日は、葬儀をできないと聞いたけれど本当?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、友引や仏滅などの「六曜」の意味や、葬儀との関連性について詳しく解説します。葬儀の日取りの注意点についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
六曜とは
「六曜(ろくよう)」とは、日本で用いられている「その日の吉凶を表す言葉(暦注)」です。もともとは、中国から伝えられたとされており、日本では江戸時代が終わるころから一般的に用いられるようになりました。
現在の日本で使用されている六曜には「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」があります。カレンダーや手帳に、六曜が記載されているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
六曜は、上記の順に繰り返されますが、各月の1日の六曜は指定されており、1日を迎えるとサイクルがリセットされて、指定された六曜から再びスタートします(下記表の基準日を参照)。
六曜には、それぞれ吉凶を表す意味があります。
六曜 (代表的な読み方) |
基準日 | 意味 |
---|---|---|
先勝 (せんしょう・せんかち・さきかち) |
1月、7月の1日 | 急ぐことは吉。午前は吉、午後は凶。 |
友引 (ともびき・ゆういん) |
2月、8月の1日 | 勝負なき日と知るべし、共に引き分ける。朝夕は吉、正午は凶など。 |
先負 (せんぷ・せんぶ・せんまけ・さきまけ) |
3月、9月の1日 | 何事も控えめに平静を保つ日。午前は凶、午後は吉。 |
仏滅 (ぶつめつ) |
4月、10月の1日 | 仏も滅するような大凶日。何事も遠慮する日、病めば長引く。祝い事は避ける、仏事はよい。 |
大安 (たいあん・だいあん) |
5月、11月の1日 | 万事大吉。何事においても吉、成功しないことはない日。特に婚礼によい。 |
赤口 (しゃっく・じゃっく・しゃっこう・じゃっこう・せきぐち) |
6月、12月の1日 | 凶日。火の元、刃物に要注意。正午は吉、朝夕は凶。 |
先勝
先勝は「先んずれば即ち勝つ」という意味であり、急ぐほど運気がよい日とされています。1日のなかで、運気が入れ替わることも特徴であり、午前中の運気はよいですが、午後からの運気は悪くなります。
友引
友引は「勝負なき日・共に引き分ける」という意味であり、勝敗がつかない日とされています。朝夕の運気はよいですが、正午前後は運気が悪くなります。
「友引」という字から「友を引く・引き連れていく」といった意味を連想させますが、本来の「友引」にはそのような意味はありません。
先負
先負は「先んずれば即ち負ける」という意味であり、慌ててもよいことのない日とされています。先勝の反対の日であり、大事なことを行うのは避け、何事も控えめに平静を保つとよいでしょう。また、運気は午前中は悪く、午後になると回復します。
仏滅
仏滅は「仏も滅するような大凶の日」という意味で使用されており、六曜のなかでも最も運気が低い日です。何事も遠慮する日として、祝い事は避けられます。ただし「仏事はよい」とされているため、葬儀などを行うのは問題ありません。
仏滅はもともとは「空亡」「虚亡」などと呼ばれる「何もない日」であり、その後、すべて消えて新しくなるといった意味の「物滅」に呼び名が変わりました。さらに「物」が「仏」という字に変わってからは、現在のようなネガティブな凶日のイメージが定着したといいます。
大安
六曜のなかでも、もっとも吉日とされており、1日をとおして運気の高い日です。そのため、婚礼などの祝い事や、開業や開店などものごとの始まりにもふさわしいでしょう。「吉日なので、葬儀は避けたほうがいい」と考える人もいるかもしれませんが、大安に葬儀を行うことは問題ありません。
赤口
赤口は「赤舌日」ともいわれており、陰陽道の極悪の鬼神「赤舌神」に由来している凶日です。午の刻と呼ばれる午前11時〜午後1時のみ運気がよく、それ以外は運気の悪い日です。また「赤」という字から、火や刃物に注意するよういわれています。
六曜と葬儀の日取りの関係性
六曜は吉凶を表す暦注であるため、縁起を大切にする冠婚葬祭の日取りとは深い関係があります。ここでは、六曜と葬儀の日取りの関係性について解説します。
「友引の日のお葬式はNG」は本当?
「友引」は、もともとは「勝負なき日、共に引き分ける」という意味でしたが、漢字だけを見ると「友を引く」とも読めます。そのため、お葬式を友引に行うと「故人が友人を連れて行ってしまう(友を引く)」と解釈されるため、縁起がよくないと考える人もいるのです。
実際には、六曜と仏教に直接的な関係はないため、あくまで言葉のイメージによる印象ですが、友引の日に葬儀を避けることは一般的にも浸透しています。そのため、地域によっては、友引の日を休場日とする火葬場も多く、葬儀を行うのは避けたほうが無難でしょう。
お通夜は友引の日でも問題ない
葬儀と同じように「お通夜も友引を避けたほうがいいのでは?」と考えている人もいるかもしれません。しかし、お通夜は故人を偲びながら、ともに最後の夜を過ごす儀式です。
そのため「故人が友人を連れて行ってしまう(友を引く)」という解釈には当てはまらないため、友引の日にお通夜を行うことに問題はありません。
ただし、なかには友引の日にお通夜を行うことに抵抗を持つ人もいます。家族や親族が、友引の日を気にするようであれば、お通夜の日取りについても慎重に検討しましょう。
大安・仏滅の日はお葬式を行っても構わない
葬儀の日程を決める際に意識したい六曜は「友引」ですが、中には「大安は吉日なので、葬儀は避けたほうがいい?」「仏滅に葬儀を行うのは縁起が良くない?」と気にする人もいるかもしれません。
しかし、一般的には、大安や仏滅に葬儀を行っても問題ありません。
吉日の大安は、お祝い事に適した日とされていますが「仏事を避ける」といった風習はありません。また、仏滅も同じく、お祝い事を避ける風習はありますが「仏事を行うことに問題はない」とされているのが一般的です。
六曜と宗教の関係性
六曜は、暦のなかで吉凶を表すために生まれたものであり、本来宗教との関係性はありません。しかし、宗教ごとに、昔からの習わしがあるため日取りを決める際には、宗教ごとの六曜の考え方についても理解しておきましょう。
仏教
仏教と六曜に直接的な関係性はありません。ただし、一般的に「友引の日を避ける」というイメージが広まっているため、仏式のお葬式を行う場合でも、友引の日を避けるのが無難でしょう。
神道
神道と六曜にも直接的な関係性はありません。ただし、一般的に「友引の日を避ける」というイメージが広まっているため、神道式のお葬式を行う場合でも、友引の日を避けるのが無難でしょう。また、神道では、儀式を行う際に、六曜以外の歴注を重視することもあります。
キリスト教
キリスト教と六曜にも直接的な関係性はありません。また、葬儀においても、仏式や神道式のように、友引の日を意識することもないのが一般的です。
葬儀の日取りを決める際の注意点
葬儀の日取りは、故人が亡くなられたあとに、葬儀社を手配をしてから決定するのが一般的です。
日取りを決める際は「友引を避ける」といった六曜にまつわること以外にも、事前に確認しておくべきポイントがあります。そこで、ここからは、葬儀の日取りを決める際の注意点を解説します。
火葬場、斎場の空き状況と休場日の確認
葬儀社を手配したら、まずは葬儀社経由で火葬場や斎場の空き状況や休場日を確認しましょう。火葬場や斎場は「友引」の日に休場しているケースが多く、友引の翌日は混雑しています。また、元旦~1月3日までは、火葬場が休場となっているのが一般的です。
火葬場が混雑していたり休場していたりする場合は、希望の日に火葬を行えないこともあります。火葬の日取りがずれると、全体のスケジュールもずれ込みます。
火葬場や斎場の空き状況や休場日を確認したうえで、適切な日取りを設定しましょう。
遺族・参列者の都合等も考慮
お通夜や葬儀・告別式には、故人の家族や親族のほかに、友人や仕事関係の知人が参列するのが一般的です。お葬式は、故人との最後のお別れの儀式です。参列を希望してくれる方が、なるべく参加できるように日程や時間を調整することが大切です。
例えば、仕事関係の人が参列できない日程があらかじめわかっている場合は、その日を外して調整しましょう。ただし、葬儀の日取りは、故人の家族や親族のスケジュールを優先するのが一般的です。参列者の都合に配慮しながらも、家族や親族が負担なく参列できる日取りを考えましょう。
菩提寺・僧侶の都合も考慮
仏式のお葬式では、お通夜や葬儀・告別式の際に、僧侶が読経を行うのが一般的です。そのため、菩提寺がある場合は、なるべく早めに菩提寺に連絡を入れ、僧侶の都合を必ず確認しておきましょう。
僧侶は、お通夜やお葬式以外にも、講演や寺務などの業務もあり、希望した日程にすでに予定が入っている可能性もあります。その場合は、菩提寺や僧侶と相談し、1〜2日ほど日程をずらしてお通夜や葬儀を行うことも検討しましょう。
また、どうしても都合が合わない場合は、菩提寺から同じ宗派の僧侶を紹介してもらうといったケースもあります。
地域の風習も考慮
地域によっては「葬儀と火葬は別日に行う」といった、古くからのしきたりが重んじられるケースもあります。故人とのお別れの儀式をつつがなく行うためにも、地域の風習やしきたりを大切にし、なるべく配慮した日取りを検討しましょう。
葬儀の日程の設定例
ここからは、葬儀の一般的な日程の設定事例について紹介します。
一般葬(通夜、告別式)の設定例
一般葬では、1日目にお通夜、2日目に葬儀・告別式・火葬を行います。お通夜や葬儀を行うタイミングは、故人が亡くなられた時間によって異なります。
<故人が亡くなった時間が午前中の場合>
● 当日の夜:お通夜
● 翌日:葬儀・告別式・火葬
<故人が亡くなった時間が午後の場合>
● 当日の夜:仮通夜
● 翌日の夜:本通夜
● 翌々日:葬儀・告別式・火葬
ただし、火葬場や斎場の状況によっては、日程が後ろにずれる場合もあります。
一日葬の場合の設定例
一日葬では、お通夜を行わず、葬儀・告別式、火葬を1日で行います。一般葬に比べて、お通夜を行わない分、費用を抑えられるのが特徴です。また日程が短くなるため、家族や親族、参列者の負担を軽減できます。
ただし、日本では故人が亡くなられてから24時間以上経過しないと、火葬を行うことができません。そのため、お通夜を行わない1日葬でも、葬儀の時間まではご自宅や斎場でご遺体を安置し、故人との最後の夜を過ごします。
<一日葬の場合>
● 当日:ご遺体を安置
● 翌日:葬儀・告別式・火葬(※)
(※)亡くなられてから24時間以上経過してから
ただし、火葬場や斎場の状況によっては、日程が後ろにずれる場合もあります。
【まとめ】葬儀の日取りは慎重に決めましょう
葬儀の日取りを決める際に気になる「六曜」は、その日の吉凶を表す歴注です。もともとは宗教的な意味合いはないため、どの六曜に該当する日でもお葬式を行うことは可能です。
ただし「友を引く」と読める「友引」は「故人が友人を連れて行ってしまう」といった縁起の悪い解釈が当てはまるため、故人とのお別れの儀式である葬儀を行うのを避けるのが一般的です。また、こうした背景から、友引を休場日としてる火葬場や斎場も少なくありません。
葬儀の日程を決める際は、六曜の意味を理解したうえで、葬儀の種類や家族、親族、参列者の都合も考慮したうえで、適切な日取りを決めることが大切です。
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