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神道の葬儀(神式葬儀・神葬祭)とは? 〜葬儀の流れ、服装やマナー、仏式との違いを解説〜

公開日:2024/06/20

更新日:2024/06/20

神道の葬儀(神式葬儀・神葬祭)とは? 〜葬儀の流れ、服装やマナー、仏式との違いを解説〜

葬儀アイコン目次

こんな方にオススメ!

● 神式と仏式の葬儀の違いについて知りたい方
● 神式葬儀の一般的な流れを知りたい方
● 神式葬儀の作法やマナーを知りたい方

はじめに

神道の葬儀には、仏式とは異なるさまざまな作法やマナーが存在します。これまで参列したことがない方も、いざというときに戸惑うことなく対応できるよう、あらかじめ理解を深めておくと安心です。ここでは、一般的な葬儀の流れ、服装や参列時のマナー、香典など、神道の葬儀についての詳細を解説します。

1. 神式の葬儀、神葬祭とは

神式の葬儀とは、日本古来の宗教である「神道」の形式によって行われるお葬式のことをいい、「神葬祭(しんそうさい)」と呼ばれます。日本で行われる葬儀は約9割が仏式葬儀であり、残りの約1割に神式やキリスト教式などの葬儀が含まれます。全体の割合から見ると決して多くはありませんが、神道は日本に古くから存在する宗教の一つであり、神式葬儀に参列した経験がある方も少なからずいらっしゃることでしょう。

■ 仏式葬儀と神式葬儀の違い

仏教と神道では死生観が異なることから、葬儀に対する考え方も異なります。仏教では、故人が極楽浄土へ行けるよう祈りを捧げる儀式とされているのに対し、神葬祭は故人の魂がその家の守り神としてとどまるための儀式と位置づけられています。亡くなった人は神々の世界に戻り、子孫を見守る存在になるというのが、神道の死生観なのです。

また、神道において「死」は「穢れ(けがれ)」と捉えられていることから、神式葬儀には「穢れを祓う(はらう)」目的もあるとされています。「穢れ」とは、身近な人の不幸によって人々の気力が枯れた状態(=気枯れ)を指します。そこで、葬儀を行うことによって「不幸が起こったことによる人々の穢れを祓い、穢れのない日常の生活に戻す」ことが、神葬祭の目的の一つと考えられているのです。

したがって、葬儀を行う場所についても神式と仏教では違いがあります。仏式葬儀の多くは寺院で行われますが、神葬祭は神社ではなく自宅やホールで行うことが一般的です。神聖な場所である神社に、「穢れ」を持ち込んではいけないと考えられているためです。

2.神式葬儀の一般的な流れ

神葬祭は、仏式葬儀と同様2日間にわたって行われます。仏式の葬儀・告別式に相当する儀式を「葬場祭(そうじょうさい)」といい、その前夜に仏式の通夜にあたる「通夜祭(つやさい)」を営みます。
もともと神道は、日本人の暮らしの中から自然発生的に生まれた民族宗教です。そのため、弔いの儀式である神葬祭についても、統一された式次第は存在しません。地域の慣習や神社、葬儀を司る神職などによって作法や流れは異なりますが、ここでは一般的な神葬祭の流れをご紹介します。

■ 神葬祭の一般的な流れ

□ 臨終〜納棺

【帰幽奉告(きゆうほうこく)】
訃報を受けた後、神棚および祖霊舎(それいしゃ:先祖を祀るための社、仏壇にあたるもの)に故人の死を奉告する。
帰幽奉告をしたら、神棚や祖霊舎の扉を閉め、半紙などの白い紙を貼り(神棚封じ)、忌明けの五十日祭までそのままにしておく。

【枕直しの儀】
ご遺体に白い小袖を着せて、北枕にして安置する。
祭壇を設け、水、塩、米、酒、故人の好物などを供える。

【納棺の儀】
ご遺体を棺に納めて白い布で覆い、礼拝を行う。

□ 通夜・遷霊祭(神葬祭1日目)

【通夜祭】
仏式の通夜にあたる儀式。斎主(葬儀の中心になる神職)が祭詞を奏上し、遺族や参列者は「玉串(たまぐし)」を捧げて拝礼する。

【遷霊祭】
斎主により、故人の御霊を仏式の位牌にあたる「霊璽(れいじ)」に移す儀式。「御霊移し(みたまうつし)」とも呼ばれる。

□ 葬場祭〜帰家祭(2日目)

【葬場祭】
仏式の葬儀・告別式にあたる儀式。式次第は地域の慣習などによっても異なり、近年は簡素化されることも多いが、一般的には以下のように進行する。

①手水(ちょうず)の儀
ひしゃくの水を手にかけたあと、口をすすぎ、身のけがれを清める儀式(※のちほど解説)

②開式の辞
司会者による開式の挨拶

③修祓(しゅばつ)の儀
斎主が参列者一同を祓い清める

④奉幣・献饌(ほうへい・けんせん)
楽員が奏楽を奏でる中、斎員(斎主のサポートをする神職)が神前に供え物と食べ物を献上する

⑤祭詞奏上・誄歌(るいか)奏楽
斎主が故人の死を悼む言葉を述べ、楽員が誄歌(死者をしのび、その死を悼む歌)を演奏する

⑥弔辞拝受・弔電奉読

⑦玉串奉奠(たまぐしほうてん)
参列者が玉串を祭壇に捧げる(※のちほど解説)

⑧撤饌(てっせん)
楽員が奏楽を奏でる中、斎員が献上した供え物や食べ物を下げる

⑨斎主一拝
斎主が一礼し、参列者一同もそれにならう

⑩閉式・斎主退場

【火葬祭】
火葬の前に、火葬場で行う儀式
斎主が祭詞を奏上し、参列者は玉串をささげて拝礼する

【埋葬祭】
墓地に遺骨を埋葬する儀式
本来は火葬後すぐに行うのが習わしだが、現在では忌明けの五十日祭で埋葬することが一般的

【帰家祭(きかさい)】
自宅へ戻り、手を塩や水で清めて、葬儀が無事に終了したことを霊前に奉告する

【直会(なおらい)】
仏式でいう精進落とし。神職やお世話になった人を招いて宴を行う

■ 葬儀後の法要

神道でも、仏教の法要にあたる追悼儀式があり、「霊祭(れいさい)」または「御霊祭り(みたままつり)」と呼ばれます。霊祭は故人が亡くなった翌日の「翌日祭」から始まり、10日ごとに死後50日目の五十日祭まで行います。近年は、翌日祭以降、四十日祭までの霊祭も省略されることがほとんどです。
五十日祭の後は「百日祭」がありますが、これも省略されるケースが多く、その後は仏式の回忌法要にあたる「式年祭」が行われます。

【五十日祭とは】

故人が亡くなってから50日目に行われる忌明けの儀式。仏式の四十九日にあたる重要な霊祭です。親族や友人を招き、神職に祭詞を奏上してもらい、故人の霊を神棚や祖霊舎に守護神として迎え入れる儀式です。五十日祭の翌日には「清祓いの儀(きよはらいのぎ)」を行い、神棚や祖霊舎に貼っていた神棚封じの白い紙を外して、日常の生活に戻ります。

【式年祭】

死後1年目の「一年祭」から、「三年祭」、「五年祭」、「十年祭」と続き、「五十年祭」まで10年ごとに年忌法要を行います。ただし、「二十年祭」以降は省略されることが多く、50年目には仏式でいう「弔い上げ」をすることが一般的です。

3.神式葬儀に参列する際の注意点

■ 神式葬儀の服装

神式葬儀に参列する際は、仏式と同じように喪服を着用します。男女とも黒の喪服に、黒の靴や小物を合わせて、結婚指輪以外のアクセサリー類はできるだけ外して参列しましょう。
数珠は、仏式の葬儀には欠かせないものですが、仏具であり神道には関わりがありません。神式葬儀に参列するときは、持参しないのがマナーです。

■ 神式葬儀における挨拶の言葉

神道の死生観では、亡くなった人は自分たちの血を受け継ぐ子孫の守り神になるとされています。肉体は魂が宿る入れ物に過ぎず、肉体が滅んでも魂はその家にとどまるため、死は悲しむべきものではないというのが神道における考え方です。

神葬祭は仏式葬儀のように「故人の冥福を祈ること」を目的としていないので、「お悔やみ申し上げます」といった悲しみをあらわす言葉は適していません。葬儀の場面で一般的に用いられる言葉であり、故人とのお別れに対する悲しみの気持ちから口に出してしまいがちですが、神式ではマナー違反となってしまうため気をつけましょう。また、「冥福」、「成仏」、「供養」などの言葉も仏教用語であるため使いません。

■ 手水(ちょうず)の儀

神道では、儀式の前に口をすすいで身のけがれを清める「手水の儀」があります。最近は省略されることも多いですが、式場に用意されている場合は、儀式の前に必ず行うようにしましょう。

【手水の作法】

① 右手でひしゃくを持ち、水をすくって左手にかける。
② 左手にひしゃくを持ち替え、右手に水をかける。
③ 再び右手にひしゃくを持ち替え、左手に水を受けて、その水で口をすすぐ。

■ 玉串奉奠(たまぐしほうてん)

神式では、仏教の焼香にあたるものとして、「玉串奉奠」が行われます。基本的な流れは以下の通りですが、不安がある場合は他の参列者などの動きにならうとよいでしょう。

【玉串奉奠の流れ】

① 斎主と親族に一礼し、玉串を受け取る。
② 右手で玉串の枝を上からつまむように持ち、左手で葉先を下から支えるように持つ。
③ 玉串を時計回りに90度回転し、枝を手前に持ってくる。
④ 左手を枝、右手を葉先に持ち替える。
⑤ 玉串を時計回りに180度回転し、枝を祭壇に向けて供える。
⑥ 一歩後ろに下がり、祭壇に向かって2回深く礼をし(二礼)、2回拍手し(二拍手)、再び深く礼をする(一礼)。このときの拍手は、音を立てない「しのび手」で行う。
⑦ 数歩後ろに下がり、斎主と遺族に礼をし、自分の席に戻る。

4.神式葬儀の香典について

神式葬儀に参列する際は、仏式の香典にあたる「玉串料」を不祝儀袋に包んで持参します。ここでは、仏式葬儀でも迷うことの多い、不祝儀袋の選び方や表書き、金額の相場などについて解説します。

■ 玉串とは

玉串とは榊の枝に「紙垂(しで)」と呼ばれる紙片を付けたもので、玉串奉奠の儀式では祭壇に捧げて故人の霊が安らかであるようにと祈ります。この玉串に代わって納めるお金のことを「玉串料」といいます。

■ 不祝儀袋の種類と表書き

市販の不祝儀袋のうち、蓮の花が描かれたものは仏式にしか使えません。神道の葬儀では、模様が入っていないものを用いましょう。水引は、黒白または双銀、双白の結び切りのものを選びます。
表書きは、「玉串料(または御玉串料)」、「御榊料」、「「御神前」などとします。なお、「御霊前」はどの宗教にも使えるので、相手の宗教がわからない場合は「御霊前」としておけば間違いがありません。

■ 故人との関係と香典の目安

金額の目安は、仏式葬儀の場合と同じと考えていただいてかまいません。一般的な相場は以下の通りですが、香典の金額に明確な決まりはありませんので、故人との関係性や年齢、社会的な立場などを考慮して決めるとよいでしょう。

【故人との関係と香典の相場】
祖父母 1〜3万円
両親 5〜10万円
きょうだい 3〜5万円
おじおば・甥姪・いとこ 1〜3万円
友人・知人 5,000〜1万円
仕事関係 5,000〜1万円

■ 神職へのお礼

神式の葬儀を執り行う際は、神職へのお礼として「祭祀料(さいしりょう)」をお渡しします。仏教のお布施にあたるもので、表書きは「御祭祀料」や「御礼」とします。これは喪主から神職に渡すものであり、参列者が持参する「玉串料」とは異なるものです。その他に、仏式と同様、神職に式場まで出向いてもらう場合は「御車代」、会食の席に神職が参加しない場合は「御膳料」を用意します。

■ 香典返しについて

神式では、五十日祭の忌明け後に香典返しを送ります。仏式と同様、受け取った香典の半額程度の品物に挨拶状を添えて送りましょう。このときも、「成仏」、「冥福」、「供養」といった仏教用語を使わないよう注意が必要です。デパートや専門店などに依頼するときは、神式である旨を伝えるとスムーズに進めてもらえるでしょう。

5.神式葬儀の要点まとめ

神道の葬儀には決まった式次第がなく、地域や神社によって流れや作法などが異なる場合があります。この記事でご紹介した内容は、あくまで一般的な例として参考にしていただければ幸いです。

● 「神葬祭」とは、神道の形式によって行われる神式葬儀のこと。

・神葬祭は、亡くなった人の魂が家の守り神になるという神道の死生観にもとづく儀式。
・仏式の多くが寺院で行われるのに対し、神葬祭は自宅やホールで行うことが一般的。
・神葬祭では、仏式の通夜にあたる「通夜祭」と、葬儀・告別式にあたる「葬場祭」を行う。

● 神道の葬儀に参列するときは、仏式と異なる儀式や作法、マナーに注意する。

・手水の儀、玉串奉奠など、仏式では行わない儀式も多いので事前に覚えておくとよい。
・服装は仏式と同様に喪服を着用する。仏具である数珠は、神式葬儀では持参しない。
・「お悔やみ申し上げます」という挨拶は、神式の葬儀にはそぐわないため気をつける。
・「冥福」、「成仏」、「供養」などの言葉は仏教用語であり、使わないよう注意が必要。

● 神式葬儀では、仏式の香典にあたる「玉串料」を不祝儀袋に入れて持参する。

・金額は、仏式と同等。故人との関係性、年齢、社会的立場などを考慮して決める。
・不祝儀袋の水引は黒白、双銀、双白の結び切り。表書きは、「玉串料」などとする。
・神式では、香典返しは忌明けの五十日祭以降に発送することが一般的。


メモリアルアートの大野屋では、葬儀・法要についてベテランスタッフが常に待機しており、お客様それぞれの質問や、必要な事をお聞きした上で、お悩みに沿ったご提案やご相談をさせていただきますので、安心して いつでもお気軽にご相談ください。

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