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テーマ:葬儀の準備

お通夜とは?本来の意味や当日の流れ、知っておくべきマナーを解説

公開日:2024/07/02

更新日:2024/07/03

お通夜とは?本来の意味や当日の流れ、知っておくべきマナーを解説

葬儀アイコン目次

故人が亡くなったあとは、お通夜や葬儀・告別式など、さまざまな儀式を通じてお別れをすることになります。なかでもお通夜は、故人と共に最後の夜を過ごす大切な儀式です。

この記事では、お通夜の本来の意味や意義、当日の流れ、知っておくべきマナーについて詳しく解説します。初めてお通夜に参列する方や、正しい知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてください。

こんな方にオススメ!

● お通夜の本来の意味や意義を知りたい人
● お通夜と葬儀・告別式の違いを知りたい人
● お通夜の日取りや流れを知りたい人
● お通夜のマナーを知りたい人

1.お通夜とは?

お通夜は、故人と共に最後の夜を過ごす重要な儀式です。故人を偲び、親しい人々が集まって生前の思い出を語り合う時間でもあります。

お通夜は本来、夜通し燈明と線香の火を絶やさず、故人を見守る儀式であったため、そこから「お通夜」と呼ばれるようになりました。一晩中、個人に付き添っていたことから、お通夜は別名「夜伽(よとぎ)」とも呼ばれています。医学の発達していなかった時代は、故人が本当に亡くなっているかを確かめるために、一晩様子を見るという意味もありました。

また、日本では古来から、大切な家族が亡くなった際、その後も一定の間は、生前と同じように亡くなった家族の食事を用意する「殯(もがり)」という風習がありました。この風習が、お通夜の起源になったともいわれています。

現代では、お通夜は夜通しではなく、午後6時ごろから1〜1時間半ほど行われます。そのため「半通夜」とも呼ばれています。

お通夜と葬儀、告別式の違い

故人とのお別れの儀式には、お通夜のほかに葬儀や告別式などがあります。

上述のとおり、お通夜は故人との最後の夜を過ごす儀式です。午後6時ごろから始まり、僧侶による読経と参列者による焼香が行われます。

それに対して葬儀は、故人を供養する宗教的な儀式として位置づけられており、主にご遺族や親族など、故人と血縁のある人が集まります。一方で、告別式は、故人の友人や知人、会社関係の方など、幅広い方が参列して故人に別れを告げる式であり、厳密には宗教的な儀式ではありません。

このように葬儀と告別式は、役割の異なる儀式でしたが、現在では同日に行われるのが一般的で「葬儀ならびに告別式」という表現が用いられています。

2.お通夜・葬儀・告別式の流れ

お通夜や葬儀、告別式にはそれぞれに意味があり、適切なタイミングで行うことが大切です。

お通夜や葬儀・告別式はいつ行う?

一般的にお通夜は、故人が亡くなられた翌日の夜に行われます。午後6時ごろから始まり、所要時間は1〜1時間半ほどです。葬儀・告別式は、お通夜の翌日に行われるのが一般的です。

1日目:故人が亡くなった日
2日目:お通夜(午後6時ごろから)
3日目:葬儀・告別式

ただし、お通夜や葬儀の日取りは、葬儀場や火葬場の空き状況によって1日〜2日ほどずれるケースもあります。また、葬儀の種類によっては、お通夜を行わない場合もあります。

お通夜の流れ

一般的なお通夜の流れは、以下のとおりです。

1.ご遺族・親族 到着(開始の1時間前)
2.受付開始(開始の30分前)
3.僧侶 到着
4.ご遺族・親族 着席(開始の15分前)
5.お通夜 開始
6.読経 開始(30分前後行われる)
7.焼香 開始(読経開始の15分後くらいから)
8.読経 終了、説教法話
9.喪主の挨拶
10.お通夜終了
11.通夜振る舞い(1時間程度)

お通夜そのものの所要時間は、1時間~1時間半前後ですが、ご遺族や親族は、開始の1時間前には会場に到着し、控室で待機します。また、弔問客の受付は、お通夜開始の15分前から行われるのが一般的です。

お通夜では、弔問客が順番に焼香を行います。そのため、儀式自体は1時間~1時間半前後が目安ですが、弔問客が多い場合は焼香の時間が長くなるため、2時間前後となる場合もあります。

3.お通夜のあとの「通夜振る舞い」とは

また、お通夜のあとには「通夜振る舞い」が行われるのが一般的です。通夜振る舞いとは、お通夜に参列してくださった方々に、喪主が感謝の意を込めて、食事を振る舞い故人を偲ぶ会のことです。ただし、現在では、儀式の簡略化に伴い、通夜振る舞いを行わないケースも見られます。

通夜振る舞いの料理

通夜振る舞いには、お通夜の弔問客であれば自由に参加できます。一般的には、オードブルのような大皿料理や寿司、軽食などが出され、お酒が用意されていることもあります。ただし、通夜振る舞いは単なる会食ではありません。お通夜に参列した弔問客が、故人を偲び思い出を語る場所という意味があることを覚えておきましょう。

通夜振る舞いとにているものに「精進落とし」があります。精進落としは、葬儀のあとにおこなわれる会食のことです。両者の違いについては、下記記事をご覧ください。

通夜振る舞いの挨拶と献杯

通夜振る舞いでは、会食の最初と最後に喪主が挨拶を行います。

<通夜振る舞いの挨拶例(開式)>

皆様、本日はお忙しい中、通夜にご参列いただき誠にありがとうございます。
皆様のお越しを心より感謝申し上げます。○○(故人)も大変喜んでいることと思います。
ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。
お時間の許す限り、食事をしながら故人の生前の話や思い出をお聞かせいただければ幸いです。
また、会式の挨拶のあとには、故人への敬意や弔意を表す献杯を行いますが、献杯ではほかの方とグラスを合わせることはせず、静かに胸の前で軽くグラスを掲げてから口をつけましょう。

<通夜振る舞いの挨拶例(閉式)>

皆様、本日は誠にありがとうございました。
お陰様をもちまして、無事に通夜を終えることができました。
名残り惜しい気持ちではございますが、皆様もお忙しいことと存じますので、本日はこれにて終了とさせていただきます。
なお、明日の告別式は○○(場所)にて○○時(開始時刻)から執り行います。
本日は、誠にありがとうございました。

4.お通夜のマナー

お通夜は故人とともに最後の夜を過ごす大切な儀式です。そのため、正しいマナーを理解したうえで、適切な振る舞いをすることが重要です。ここでは、お通夜に参列する際に知っておくべきマナーについてご紹介します。

お悔みの言葉、お通夜で避けるべき言葉(忌み言葉・重ね言葉)

お通夜に参列する際は、受付で挨拶をしたりご遺族にお悔やみの言葉を伝えたりする場面があります。その際は、挨拶の言葉や会話の言葉に注意しましょう。

お通夜の受付では、まずは「この度はご愁傷さまです」「この度はお悔やみ申し上げます」と簡潔にお悔やみの言葉を伝えます。受付後に返礼品をいただくケースがありますが、その際は「ありがとうございます」という言葉は避けて「恐れ入ります」とお答えします。

また、会場内や通夜振る舞いの席で、ご遺族や親族、ほかの弔問客と言葉をかわす際は「忌み言葉」や「重ね言葉」に注意しましょう。

忌み言葉とは、縁起が悪いと感じさせる言葉のことです。また、重ね言葉とは「ますます」や「度々(たびたび)」「くれぐれも」のような繰り返す言葉のことです。これは「不幸が重なる」「不幸が繰り返す」というイメージがあるため、使用しないように注意しましょう。

忌み言葉や重ね言葉は、別の表現に言い換えてお伝えするのがマナーです。

<代表的な忌み言葉・重ね言葉と言い換えの例>

● 死ぬ → ご逝去
● 急死 → 突然のこと、急逝
● 生きていたころ → 生前、お元気だったころ
● 忙しい → ご多用
● 再び → 今一度
● 引き続き → これからも
● ますます → 一段と
● 度々 → よく
● くれぐれも → 十分に など

お焼香の作法

お焼香には、故人と向き合う前に心身を清める意味と、煙が立ち上る様から故人をあの世に導く意味があります。お通夜のお焼香の一般的なやり方は「立礼焼香」と呼ばれるものです。

立礼焼香は、参列者が順番に席を立ち、祭壇前の焼香台まで移動して行うものです。

<立礼焼香の流れ>

1.ご自身の順番が来たら立ち上がり、数珠を左手に持ち、祭壇前まで進む
2.ご遺族に一礼する
3.焼香台の一歩手前まで進む
4.祭壇向かって一礼または合掌をする
5.抹香をつまんで香炉に落とす(これを宗派ごとに決められた回数行う)
6.遺影に向かって合掌・一礼する
7.数歩下がり、ご遺族に一礼する
8.ご自身の席に戻り着席する

抹香をつまんで香炉に落とす方法や回数は、宗派によって異なります。

服装について

お通夜に参列する際の服装は、黒を基調としたシンプルなデザインの「喪服」が基本です。一般的な喪服は「準喪服」と呼ばれており、男女ともにブラックフォーマルになります。

男性は、ブラックフォーマルのスーツに白無地のワイシャツ、黒無地で光沢のないネクタイ、黒無地の靴下、黒の革靴を着用しましょう。女性は、黒無地で光沢のないワンピースやスーツに、透け感のある黒いストッキング、黒い光沢のないパンプスを合わせます。スカートを着用する場合は、ひざが隠れる程度の長さのものを選びましょう。

ただし、急なご不幸で喪服の用意が間に合わない場合は「略喪服」を着用する場合もあります。男性であれば黒やダークグレーのスーツ、女性の場合はシンプルな黒やダークグレーのワンピースやスーツが略喪服に該当します。

5.お通夜の持ち物

お通夜に参列する際は、以下のものを用意しましょう。

香典

お通夜に参列する際は、香典を用意して持参します。香典袋(不祝儀袋)の書き方や香典金額、香典の注意点については、後程詳しく解説します。

袱紗(香典袋を包む)

袱紗は、ご祝儀や香典を包む袋や布のことです。お通夜の際は、黒や紫、紺、深緑のような落ち着いた色味の袱紗を使用しましょう。慶弔のどちらにも使用できる紫の袱紗を用意しておくと便利です。

数珠

お通夜では、焼香の際に数珠を使用します。数珠は宗派ごとにさまざまなルールがありますが、お通夜では故人の宗派に合わせる必要はなく、ご自身の宗派の数珠を持って行っても問題ありません。宗派が気になる場合は、全宗派共通で使える略式念珠(片手念珠)を用意しておくと安心です。

白無地のハンカチ

お通夜は故人とのお別れの儀式です。故人のことを思い、涙が出てしまうこともあるでしょう。こうした場合にも、適切に対応できるように、必ずハンカチを用意しておきましょう。ハンカチは白無地のもので、綿などの自然素材のものが適しています。

6.お通夜の香典

香典とは、本来は故人に供える香(線香や食料香典)などを指していましたが、現代では現金を香典としてお渡しするかたちが一般的となっています。

香典の金額

香典の金額は、故人との関係性によって異なり、血縁関係が近いほど金額が高くなります。

親:10万円
兄弟姉妹:5万円
そのほかの親族:1万円
友人・知人:5,000円

香典袋の種類と表書き

香典袋(不祝儀袋)を選ぶ際は、故人の宗教や宗派に合わせて選びます。以下に宗教・宗派ごとの香典袋の選び方と表書きをまとめました。

宗教・宗派 香典袋の種類 表書き
仏教 白無地
白黒の水引
蓮の描かれた封筒
御霊前
御香料
御香典
御悔
仏教(浄土真宗) 白無地
白黒の水引
蓮の描かれた封筒
御仏前
神道 白無地
双銀の水引
御神前
御玉串料
御榊料
キリスト教(カトリック) ユリや十字架の描かれた封筒
白無地の封筒
水引なし
御花料
御ミサ料
キリスト教(プロテスタント) ユリや十字架の描かれた封筒
白無地の封筒
水引なし
御花料
献花料
弔慰料
無宗教 白無地
白黒の水引
御香料
御香資

香典袋に入れるお札の注意点

香典袋に入れるお札は、新札は控えたほうがいいとされています。ご祝儀には新札を使用しますが、お通夜の香典に新札を入れてしまうと「予期して用意していた」という印象を与えてしまうかもしれません。

また、極端にシワが多いお札や破れたお札は避けて、いわゆる日常的に使用している普通のお札を入れます。お札を入れる際は、中袋を裏にして開けた際に、お札に描かれている人物が表に見えるように、さらにお札を取り出した際に、人物が下になるように入れましょう。

8.僧侶のおもてなしとお布施

お通夜では、僧侶に読経を行っていただきます。喪主は、僧侶が会場に到着されたら、お茶や茶菓子をお出ししておもてなしします。また、読経がおわったあとも、お茶と茶菓子をお出しし、喉をうるおしていただきます。

また、僧侶へのお布施は、お通夜から葬儀、告別式までをひとつの括りとして扱います。ここに戒名料などが含まれる場合もあります。

お布施はあくまで、僧侶や菩提寺に対する感謝の気持ちをお伝えするものです。そのため、金額に決まりはありませんが、一般的には10万円〜50万円が相場とされています。

9.お通夜に飾る花について

お通夜や葬儀・告別式の際には「供花(きょうか・くげ)」と呼ばれる花を供えます。供花は、儀式の際に祭壇の両脇に飾られ、お別れの場を彩るとともに、参列者にやすらぎを与える役割があります。

また、お通夜までは「枕花(まくらばな)」と呼ばれる花を故人に供えます。枕花は、故人の訃報を受けたときに、故人と親しくしていた方がいち早くお送りするものです。枕花は、お通夜までの間、ご自宅や葬儀場で安置されている故人の枕元に供えられます。

10.お通夜の意味や流れ、マナーを理解して故人との別れを偲ぶ

お通夜は、故人と最後の夜をともに過ごし、お別れをする大切な儀式です。故人を偲ぶためにも、事前にお通夜の意味や流れ、マナーを十分に理解しておくことが大切です。

お通夜の際は、お悔やみの言葉や焼香の作法、服装などに注意して、ご遺族やほかの弔問客の気持ちに寄り添うことを心がけます。また、持ち物や香典についても、事前に確認しておくと慌てずに準備ができるでしょう。

ぜひ、この記事を参考に、お通夜への理解を深めてください。

メモリアルアートの大野屋では、葬儀・法要についてベテランスタッフが常に待機しており、お客様それぞれの質問や、必要な事をお聞きした上で、お悩みに沿ったご提案やご相談をさせていただきますので、安心して いつでもお気軽にご相談ください。

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