メモリアルアートの大野屋

テーマ:葬儀の準備

枕飾りはいつどのように行うか?宗教別に飾り方や必要なもの、注意点を解説

公開日:2024/08/14

更新日:2024/08/22

枕飾りはいつどのように行うか?宗教別に飾り方や必要なもの、注意点を解説

葬儀アイコン目次

大切な方が亡くなられたあと、ご遺体を安置する際には「枕飾り」を用意します。枕飾りには、故人を供養する目的があり、また宗教ごとに必要なものや飾り方が異なります。

この記事では、枕飾りの意味や意義、行うタイミングを解説するとともに、宗教ごとに枕飾りとして準備するものを詳しくご紹介します。さらに、枕飾りのしきたりや注意点についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

こんな方にオススメ!

● 枕飾りの意味や意義を知りたい人
● 枕飾りを行うタイミングを知りたい人
● 枕飾りとして準備するものを知りたい人
● 枕飾りの注意点について知りたい人

1.枕飾りとは

枕飾り(まくらかざり)とは、故人を供養するためにご遺体の周囲に飾られる仏具や神具、お供え物のことです。また、お通夜の前に弔問に来てくださった方が、線香を手向けたり祈りを捧げたりするための「簡易的な祭壇」の役割も果たします。

枕飾りは、故人が穏やかに旅立てるようにという意味が込められた宗教的な儀式のひとつです。そのため、信仰する宗教によって準備するものや飾り方が異なります。

枕飾りを行うタイミングはいつ?

枕飾りは、ご遺体が自宅や葬儀場などに安置された直後に、故人の枕元に設置されます。そして、お通夜の準備が始まる段階で回収します。

「枕勤め」「枕経」「後飾り」との違い

仏教では、枕飾りを整えたあと、僧侶がお経をあげる儀式を行います。これは枕経(まくらぎょう)や枕勤め(まくらづとめ)と呼ばれています。

ひと昔前の日本では、ご自宅で亡くなられる方が多かったため、僧侶が故人を看取りながらお経をあげていました。しかし、現在では病院で臨終を迎えることが多くなったため、病院から自宅にご遺体を安置し、枕飾りを整えてから枕経が行われるのが一般的です。また、葬儀場などで安置される場合は、枕経を省略したりお通夜の際に枕経をあげる場合もあります。

枕飾りと混同しやすい言葉に「後飾り(後祭壇)」というものがあります。後飾りとは、火葬後から四十九日までの間、遺骨を安置する祭壇のことです。後飾りは、仏壇の前に飾るのが一般的で、枕飾りとは行うタイミングや設置する場所が異なります。

また、ご遺体を安置して枕飾りを設置する前には、仏教の場合は「湯灌の儀」という儀式を行うこともあります。

2.【宗教別】枕飾りに準備するもの・配置

枕飾りは、故人が進行する宗教によって、準備するものや配置、飾り方が異なります。ここでは、仏教、神道、キリスト教の枕飾りについて、宗教別に詳しく見ていきましょう。

仏教の枕飾り・飾り方

枕飾りillust_仏式.jpg

仏教の枕飾りは、故人の枕元に白木台(または白い布をかけた小さな台)を用意し、その上に仏具やお供え物を飾ります。

<飾り方>
奥は左側から、燭台→花瓶→一膳飯→水→燭台の並びで設置。
手前は左側から、枕団子→線香→香炉→鈴の並びで設置。

白木台または白色の布をかけた台

仏教の枕飾りでは、本来「白木台」と呼ばれる白木を使用した足つきの台を用いますが、テーブルに白色の布をかけたものでも代用可能です。白木台の大きさは、半畳〜1畳程度が一般的ですが、ご遺体の安置場所のスペースに合わせたものを選びましょう。

香炉・燭台・花瓶

香炉と燭台、花瓶は「三具足(みつぐそく・さんぐそく)」と呼ばれる故人を供養するための仏具です。香炉には灰を入れて線香を立て、燭台には白ろうそく、花瓶には樒(しきみ)や白い菊などを飾ります。

ただし、浄土真宗では線香を立てない風習があるため、香炉に寝かせる、または折ってから灰の上に寝かせるようにします。

線香

線香は線香立てに入れて香炉の隣に設置し、すぐに香炉に立てられるように準備しておきましょう。

枕団子・一膳飯・水

枕団子と一膳飯、水は、故人を食欲という「欲」から解き放ち、この世への執着心を浄化するという意味が込められたお供え物です。

枕団子は、うるち米の米粉でつくられた団子で、高く積み上げるようにして供えます。枕団子の数は6個や13個、49個など地域によって異なります。一膳飯は「枕飯」とも呼ばれており、炊き立てのご飯一合を山のような形に高く盛り付け、山の中央に箸を立てて供えます。また、水は特別なものではなく水道水でも構いません。湯飲みやコップに入れて供えましょう。

ただし、浄土真宗の場合、亡くなられた方はすぐに成仏し極楽浄土へ行けるとされています。そのため、この世への執着心を浄化するという意味のある「枕団子」「一膳飯」「水」といった飲食物は用意しないのが一般的です。

鈴(りん)・りん棒

鈴は「りん」と読み、故人に手を合わせる際に鳴らす鉢型の仏具です。鈴を鳴らす際に用いる「りん棒」と合わせて設置します。鈴には、故人を供養し邪念を払うという役割があります。

神道の枕飾り・飾り方

枕飾りillust_神道.jpg

神道の枕飾りは、故人の枕元に八足の机を用意し、その上にお供え物を置いた三方と花瓶、燭台を飾ります。

<飾り方>
奥は左側から、花瓶→御霊代→花瓶の並びで設置。
手前は左側から、燭台→三方(塩、水、洗い米、お神酒)→燭台の並びで設置。

八足の机

八足(やつあし・はっそく)の机とは、両側に4本ずつ足のついた机のことで、儀式で用いられる神具です。

御霊代

御霊代(みたましろ)は、亡くなった方の魂を移す依り代です。神道では、亡くなった方の霊魂は、祖先の霊とともに家の守り神になるとされています。神道の枕飾りでは、この御霊代を中央奥に設置します。

三方

三方(さんぽう)とは、神事の際にお神酒やお供え物を置く木製の台のことです。枕飾りでは三方の上に、塩、水、洗い米、お神酒をお供えし、八足の机の中央に設置します。

塩・水・洗い米・お神酒

神饌(しんせん)と呼ばれる神様に献上する食事で、枕飾りでは三方の上に供えます。

塩は粗塩を小皿に山の形で盛り、水は水玉と呼ばれる器に入れます。洗い米は、水で洗った米を乾かし、塩と同じように白い小皿に山のように盛り付けます。お神酒は、瓶子(へいし・へいじ)という一対の徳利のような器に入れます。

榊・榊立て

神道の枕飾りでは、花ではなく神道で神聖な植物とされている榊(さかき)を榊立てに入れて飾ります。

燭台

燭台には、白ろうそくを立てます。

常饌

神道の枕飾りでは、神饌(しんせん)のほかに常饌(じょうせん)と呼ばれる故人の好物をお供えすることも可能です。

キリスト教の枕飾り・飾り方

枕飾りillust_キリスト教.jpg

キリスト教には、本来、枕飾りという儀式はありません。しかし、現在の日本では、臨終の儀式の際に用いたものを、白や黒の布をかけた台の上に設置して、枕飾りとすることもあります。

<飾り方>
奥は左側から、燭台→花瓶の並びで設置。
手前は左側から、精油(カトリックのみ)→十字架→聖書→パン→水の並びで設置。

燭台

燭台には、白ろうそくを立てます。

花瓶

飾る花の種類に細かな決まりはありませんが、白い百合などが一般的です。

十字架・聖書・パン・水

臨終の儀式で用いたものを設置します。

聖油(カトリックのみ)

故人の教派がカトリックだった場合、臨終の儀式として「病者の塗油の秘跡」が行われることがあります。「病者の塗油の秘跡」は、もともとはイエス・キリストが病で苦しむ人々のために行った儀式でした。現在では、臨終の際に罪の許しを請う儀式とされています。
「病者の塗油の秘跡」では、信者の頬と両手に精油で十字架のしるしをつけますが、その際に用いた精油を枕飾りとして飾ります。

キリスト教の臨終の儀式については、以下の記事でも解説しています。

3.枕飾りのしきたりや注意点

枕飾りは、故人を供養するとともに、弔問に訪れた方が祈りを捧げる祭壇の役割を担う大切なものです。そのため、枕飾りの準備をする際は、しきたりや注意点についても理解しておくことが大切です。

ここからは、事前に理解しておくべき枕飾りの注意点を解説します。

ろうそくの火は絶やさない

枕飾りのろうそくの火は、絶やさず灯しておくのが基本です。枕飾りのろうそくの火には、故人の魂が道に迷わないようにするための目印の役割があります。そのため、お通夜や葬儀が始まるまでの間、ろうそくの火を絶やさないようにしましょう。

途中で火が消えてしまった場合は、再度火をつけ直せは問題ありません。ただし、安全上の観点からも、必ずご遺族が火を見守るようにします。また、近年では、安全面を考慮して電気式のろうそくを用いる場合もあります。

線香の煙を絶やさない

ろうそくの火と同様に、線香の煙も絶やさないようにしましょう。線香の煙には、故人の魂を守り供養するという役割があります。ろうそくと一緒に、ご遺族が火の見守りをするのが一般的です。

ただし、近年では、長時間燃え続ける線香もあるため、葬儀社と相談しながら適切なものをえらぶことで、ご遺族の負担を軽減できるでしょう。

ご飯は高く盛る

仏教の枕飾りに供えられる一膳飯(ご飯)は、山のような形に高く盛り付けます。一膳飯の高さは、高い方がよりよいとされています。高く盛り付けられた一膳飯には「この世への未練を遮る」や「あの世への道中で空腹に苦しまない」などの意味があります。r

また、枕飾りを設置してからお通夜(お通夜がない場合は葬儀)までが数日間ある場合は、毎日炊き立てのご飯を盛るようにしましょう。

4.枕飾りは葬儀社に一式セットで依頼することも可能

枕飾りは、故人が亡くなられてご遺体を安置した直後からお通夜(お通夜がない場合は葬儀)が始まるまでの間、設置します。慌ただしい中で準備する必要があり、また宗教や宗派、教派ごとに用意するものやお供え物が異なります。

枕飾りは個人で用意することも可能ですが、不安がある場合は葬儀社に一式セットで依頼することも可能です。葬儀社に依頼する場合は、枕飾りの内容によって異なりますが、費用相場は1万円〜3万円前後が目安となります。

5.枕飾りの意味や注意点を理解して適切な準備を行いましょう

枕飾りは、故人を見送るための大切な儀式であり、宗教や宗派によってその意味や準備が異なります。この記事でご紹介したポイントを参考にしながら、適切な準備を心がけましょう。

枕飾りの準備は慌ただしい中で行うことが多いため、不安がある場合は、信頼できる葬儀社に相談し、専門家のサポートを受けることをおすすめします。故人のために、そしてご遺族のために、適切な枕飾りを整えて心静かに見送りましょう。

メモリアルアートの大野屋では、葬儀・法要についてベテランスタッフが常に待機しており、お客様それぞれの質問や、必要な事をお聞きした上で、お悩みに沿ったご提案やご相談をさせていただきますので、安心していつでもお気軽にご相談ください。

メモリアルアートの大野屋「葬儀の事前相談」

この記事をシェアする topicイメージ topicイメージ topicイメージ

ページトップ

通話無料 0120-02-8888 24時間365日対応(関東のみ)お葬式のご相談・お問い合せ

お葬式のお見積り(無料)

かんたん資料請求(無料)

ページトップ

お電話

資料請求