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テーマ:葬儀の準備

遺影とは? 遺影写真の準備や飾り方、処分方法を解説

公開日:2024/08/20

更新日:2024/08/22

遺影とは? 遺影写真の準備や飾り方、処分方法を解説

葬儀アイコン目次

こんな方にオススメ!

● 遺影にどのような写真を選べばよいかわからない方
● 生前に遺影の用意をしておきたいと考えている方
● 葬儀後の遺影の取り扱い方法に困っている方

1.遺影とは

遺影(いえい)は、通夜や葬儀のときに祭壇に飾る故人の写真のことです。葬儀に参列した人が故人を偲ぶためのものであり、生前の姿を思い出したり、最後の言葉をかけたりしやすくするという目的があります。
遺影に宗教的な意味合いはなく、必ず用意しなければならないというものでもありません。また、写真ではなく肖像画を飾っても問題はありませんが、参列者に故人のことを思い出しながら最後のお別れをしてもらうためにも、特別な理由がない場合は遺影写真を用意したほうが良いでしょう。

2.遺影写真の準備

遺影写真は、一般的には遺族が通夜・葬儀に合わせて用意するケースがほとんどです。大切な人が亡くなった悲しみの中、葬儀の準備を進めつつ、故人が元気だった頃の写真を振り返りながら最適な1枚を選ぶのは、遺族にとって精神的にも負担の大きい作業といえます。

そのため、最近は生前に自分の遺影を準備しておく方も少なくありません。そうすることで、もしものときに遺族の負担を軽減することができるとともに、家族に自分が覚えておいてほしい姿を記憶にとどめてもらうことができる、というメリットもあります。ここでは、遺影を用意する方法を三つご紹介します。

■ 遺影専門業者

葬儀社や遺影写真の作成や加工を専門に行う業者に依頼して遺影を用意する方法です。サービス内容は業者によってさまざまですが、衣装のレンタルや髪型のセットやメイクまでお願いできる場合もあります。スタッフは遺影写真に関するプロなので、的確なアドバイスをもらいながら納得のいく遺影を用意することが可能です。写真の合成や加工などもお任せできます。

葬儀社の中には、プロのカメラマンが撮影した写真を無料でもらえる撮影会イベントを開催している場合もあります。家族や友人と一緒に参加できることがほとんどなので、終活をはじめるきっかけとして利用してみるのも良いのではないでしょうか。

■ 写真館など

遺影写真は、フォトスタジオや写真館でも撮影してもらうことができます。特に遺影撮影を専門にしていなくても、依頼をすれば対応してもらえることが大半です。ただし、スタジオによってはブライダルフォトや赤ちゃん・子どもの撮影などを得意分野としていることがあるため、遺影に適した写真の撮影や加工が可能か、事前に確認しておきましょう。

■ お手持ちの写真から加工

これまでに撮影したお気に入りの写真を遺影用に加工するというのも一つの方法です。遺影専門業者やフォトスタジオ・写真館に依頼すると安心ですが、写真加工ソフトやアプリを利用して自分で加工することもできます。パソコンやスマホを使って自宅で加工できるため、新たに撮影するよりは費用を安く抑えられる点がメリットといえるでしょう。ただし、大幅な修正や加工が必要な場合は、納得のいく写真に仕上げるためにも専門業者などに依頼することをおすすめします。

3.遺影に適した写真とは

遺影用に写真を撮影したり、手持ちの写真から選んだりする上で、どのような写真が遺影にふさわしいのか気になる方も多いでしょう。基本的には、遺影に使う写真に明確な決まりごとはありません。スナップ写真を使用しても問題なく、遺族が好きな故人の表情をとらえた写真や、故人が生前に気に入っていた写真を選ぶ方も多いようです。
とはいえ、遺影は通夜・葬儀で参列者が故人に最後のお別れをするときに飾る大切なもの。「よりふさわしい写真があったのではないか」、「もっとほかの写真を選ぶべきだった」など、悔いが残らないように選びたいところです。以下に遺影に適した写真のポイントを挙げますので、お役立ていただければ幸いです。

■ 故人らしさ

葬儀に参列した人が遺影を見たときに生前の故人を思い出せるような、人柄が伝わる写真を選ぶと良いでしょう。家族に向けられる優しい笑顔、仕事と向き合う真剣な表情など、故人との関係性によってそれぞれ印象は異なるかもしれませんが、最終的には遺族が納得できる写真を選ぶことが重要です。

■ 最近の写真を使う

遺影写真には、できるだけ亡くなった日から近い時期に撮影した写真を使います。一般的には、亡くなる5年以内くらいに撮影したものを選ぶことが多いようです。撮影時期からあまりに年数が経ちすぎていると、亡くなる前の故人の印象とかけ離れてしまい、違和感が生じてしまうおそれがあるためです。ただし、闘病をしていた場合や故人が希望した場合、最近の写真が見つからなかった場合などは、この限りではありません。特に病気などにより見た目の印象が大きく変化している場合は、元気な頃の写真を使うほうがより故人らしさが伝わるでしょう。

■ ピント、画素数・画質

遺影に使用する写真は、ピントがしっかりと合っているもの、画素数は最低でも200万画素以上のものを選びます。遺影は葬儀のときに祭壇に飾るため、大きいサイズに拡大することがほとんどです。小さい画像で見ればきれいに思える写真でも、ピントが合っていなかったり、解像度が低かったりすると、引き伸ばしたときにボヤけた印象になってしまいます。画素数については、近年購入したスマートフォンやデジタルカメラで撮影したものであれば、ほぼ問題ないでしょう。

■ 目線

正面を向いていなければならないなどの決まりは特にありませんが、カメラ目線の写真のほうが遺影には適しているとされています。これは、葬儀でお別れをするときや葬儀後に自宅で遺影を飾るときに、参列者や遺族が故人と向き合っているような気持ちになれるためです。しかし、遺された写真の中から選ぶ場合、必ずしもカメラ目線でなければいけないということはありません。故人らしさを感じられるという理由から、あえて横向きや斜めの角度から撮られた写真や目線を外した写真を選ぶケースもあります。

■ 背景

遺影写真を選ぶ際は、背景に必要のない物や人が写り込んでいないか確認が必要です。もし写り込んでいた場合は、背景を加工してから使用します。一般的に、背景の色は、白やグレー、ブルー系の単色やグラデーションカラーが用いられることが多いようです。

■ 服装

スーツや着物など、かしこまった服装にこだわる必要はありません。スポーツのユニフォームや発表会のドレスなど、故人の生き生きとした姿が思い浮かぶような服装を選ぶのも良いでしょう。一方で、入院中でパジャマを着用している写真や極端な薄着など、葬儀の場にふさわしくない服装だと感じる場合は、写真を加工・修正したほうが良いこともあります。

4.遺影写真のサイズ

通常、葬儀では祭壇と焼香台の2箇所に遺影写真を飾ります。そのため、2種類のサイズの遺影が必要です。それぞれに適したサイズは、以下の通りです。

用途 サイズ
祭壇用 四つ切り
(縦305mm×横254mm)
A4
(縦297mm×横210mm)
焼香台用 L判
(縦127mm×横89mm)
小キャビネ
(縦165mm×横120mm)
2L
(縦178mm×横127mm)

■ 祭壇用

祭壇に飾る遺影写真は、遠くからでも故人の顔が見えるよう、四つ切りやA4といった大きめのサイズを選ぶことが一般的です。

■ 焼香台用

焼香台に飾る写真は、L判や2L、小キャビネといった小さめのサイズが適しています。飾りやすいサイズなので、葬儀後に自宅の仏間やリビングに置く遺影として使われることも多いようです。

5.遺影写真の飾り方

葬儀後、自宅で遺影写真を飾る際は、どのように、いつまで飾ればよいのでしょうか。ここでは、遺影写真の飾り方について解説します。

■ フレームの選び方

遺影写真のフレームといえば、かつては黒の額縁を使用することが通例でした。しかし、もともと決まったルールはなく、最近は黒以外の色を選ぶ方も増えて、色や材質などフレームの種類も豊富になってきました。基本的にはモノトーンや木目調といった落ち着いた雰囲気のものを選ばれる方が多いようですが、近年は家族葬など近親者のみで行う葬儀が増えていることもあり、より故人のイメージに合った色使いや素材のフレームが選ばれやすい傾向にあります。しかし、選択肢が広がっているとはいえ、故人らしさを表現することにこだわるあまり、葬儀にふさわしくない派手な色柄や彫刻などが施されたものを選ぶようなことはなるべく避けたいものです。

■ 遺影を飾る場所

葬儀後の遺影は、仏式では四十九日までは遺骨と一緒に「後飾り祭壇」に飾り、四十九日を過ぎたら仏壇の近くや仏間に飾ることが一般的です。「後飾り祭壇」とは、火葬から四十九日までの間、遺骨をまつるための祭壇のことをいいます。
自宅に仏間がない場合は、和室やリビングなどに飾られることが多いようです。また、遺影を飾る方角に決まりはありませんが、一般的には東向きや南向きが良いといわれています。しかし、昨今の住宅事情の変化により、良いとされる向きに遺影を飾るスペースを確保することが難しい場合もあるでしょう。その場合は、ご自宅のレイアウトなどに合わせて、家族にとって最適な場所に飾れば問題ありません。

■ 遺影を飾る期間(宗教別)

葬儀後、遺影を飾る期間は宗教・宗派によって異なります。主なものを下表にまとめました。

宗教 遺影を飾る期間
仏教 四十九日まで
(浄土真宗など一部の宗派を除く)
神道 五十日祭まで
キリスト教 【カトリック】
死後3日、7日、30日いずれかの追悼ミサまで
【プロテスタント】
死後1カ月後の召天記念日の記念式まで

■ 遺影を飾るときのタブーや注意点

基本的には遺影の飾り方に厳格なルールやマナーはありません。しかし、いくつか注意しなければいけないことがあるので、以下にご紹介いたします。

【仏壇の中や上に飾らない】

仏壇は、仏様が住む清らかな彼岸の世界をあらわす場所とされています。その場所に遺影を置くことは、仏様に対して失礼にあたると考えられているため、仏壇の中に遺影を飾ることは避けましょう。同様に、仏壇の上に遺影を飾ることは、仏様を見下ろす形になるため良くないとされています。

【しっかり固定する】

遺影を飾る際は、十分に固定することが大切です。しっかり固定されていないと、地震などの衝撃で遺影が落下し、フレームの破損や思わぬケガにつながるおそれがあります。

6.葬儀後の遺影の取り扱い・処分方法

葬儀が終わった後、遺影はどうすればよいのでしょう?遺影には宗教的な意味合いも、葬儀後の決まりもないとはいわれるものの、自宅に遺影を飾るのが難しい場合もありますし、葬儀に使用した遺影の取り扱いに悩んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、葬儀後の遺影の取り扱い方や処分方法について解説します。

■ コンパクトにリサイズする

遺影を飾りたいけれど置き場所に困る場合は、サイズを小さくして保管する方法をおすすめします。コンパクトサイズであれば、スペースを気にすることなく自宅の好きな場所に飾ることが可能です。デジタルデータやネガからプリントするほか、プリントサービスを行っているお店に持ち込めば、印刷した写真から好みのサイズの写真に焼き直してもらうこともできます。

■ デジタルデータ化して保管

最近では写真をデータ化して保存することは当たり前になっていますが、遺影も通常の写真と同じようにデジタルデータ化することで場所をとらずに保管できます。スマートフォンやパソコンでいつでも見られるほか、プリントした写真のように色が褪せてしまったり破れてしまったりする心配もありません。また、デジタルフォトフレームを使用すれば、生前の写真などと合わせてお部屋に飾ることも可能です。

■ 処分する場合

葬儀後に遺影を自宅で保管できない場合は、処分しても問題ありません。しかし、大切な家族の遺影を捨てることに罪悪感や抵抗を感じる方も少なくないでしょう。ここでは、安心して遺影を処分できる方法をご紹介します。

【お寺や神社でお焚き上げをしてもらう】

遺影を捨てることに後ろめたさを感じる場合は、お寺や神社でお焚き上げ供養をしてもらうと良いでしょう。菩提寺に限らず、近くのお寺や神社に依頼することも可能です。また、最近では電話やインターネットで申し込んだ後、遺影を箱に詰めて送ることでお焚き上げをしてくれるサービスもあります。その場合は、信頼できる業者に依頼するよう気をつけましょう。遺影のお焚き上げにかかる費用は、お寺や神社で3,000円程度、業者の場合は遺影のサイズにもよりますが1,500〜3,000円程度が目安です。

【自治体のルールに従って処分する】

自治体の決まりに従えば、遺影写真を通常のゴミとして処分することも可能です。そのまま捨てることに抵抗がある場合は、塩やお酒でお清めをし、白い紙や布に包んでから処分するという方法もあります。ただし、家族や親族の中には、遺影をゴミとして出すことに強い抵抗を覚える方がいらっしゃるかもしれません。トラブルを避けるためにも処分する前に話し合い、同意を得ることが大切です。

【葬儀社に処分を依頼する】

遺影の処分に困る場合は、葬儀社に引き取ってもらうという方法もあります。ただし、葬儀後の遺影処分のみを受け付けている葬儀社は少ないため、葬儀を依頼した業者にあらかじめ相談しておくとよいでしょう。葬儀社の中には遺品整理に対応しているところも多いので、四十九日の忌明けのタイミングで遺影処分と遺品整理を合わせて依頼するのもおすすめです。

7.遺影写真についてのまとめ

● 遺影とは、通夜や葬儀のときに祭壇に飾る故人の写真のこと。

・参列者や遺族が、故人を偲び、最後のお別れの言葉をかけやすくするという目的がある

・肖像画でも問題ないが、故人の姿を記憶にとどめてもらうためにも写真を用意したほうが良い

● 遺族の負担を軽減するためにも、近年は生前に遺影を準備する人が増えてきている。

・新たに撮影する場合は、遺影専門業者やフォトスタジオ・写真館に依頼する

・お気に入りの写真など、手持ちの写真を遺影用に加工することも可能

・できるだけ直近のもの、古くても5年以内に撮影した写真を使用することが望ましい

・遺影にルールはないため、基本的には服装や背景などは故人らしさが伝わるもので良い

● 葬儀後の遺影の取り扱いにルールはないため、個々の事情に合った方法で行う。

・仏壇の中や、上から仏壇を見下ろす場所に遺影を飾ることは避ける

・置き場所に困る場合は、リサイズする、デジタルデータ化するといった方法がある

・処分に抵抗がある場合は、お寺・神社でのお焚き上げや葬儀社に依頼する方法も

・自治体のルールに従えば、通常のゴミとして遺影写真を処分することもできる


メモリアルアートの大野屋では、葬儀・法要についてベテランスタッフが常に待機しており、お客様それぞれの質問や、必要な事をお聞きした上で、お悩みに沿ったご提案やご相談をさせていただきますので、安心して いつでもお気軽にご相談ください。

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