社葬とは?運営の段取りや流れ、費用など担当社員が知っておくべきポイントを解説
公開日:2024/09/05
更新日:2024/09/06
会社の創業者や社長、役員、業績に大きく貢献した社員などが亡くなった際は、会社が施主となって社葬が行われる場合があります。社葬は一般的な葬儀とは異なる点も多く、執り行うためには事前に理解しておくべき注意点などもあります。
そこでこの記事では、社葬を担当する社員が知っておくべき運営の段取りや当日の流れ、費用について詳しく解説します。社葬にかかる費用と経費の関係や、社葬後に行うことについて解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
● 社葬の意義や目的、対象となる人を知りたい人
● 社葬の種類を知りたい人
● 社葬と一般葬の違いを知りたい人
● 社葬の費用や経費としての扱いを知りたい人
● 社葬の段取りと当日の流れを知りたい人
● 社葬の葬儀実行委員の役割を知りたい人
● 社葬後に行うべきことを知りたい人
1.社葬とは
社葬とは、企業が主体となり、故人を偲びその功績を称えるために執り行われる葬儀です。主に創業者や社長、役員など企業に大きな貢献を果たした人物が対象となり、企業の姿勢や価値観を表す重要な行事とされています。
社葬は故人の供養を目的とするだけでなく、企業としての顕彰や対外的なアピールの場としても大きな意義を持ちます。
また、社葬には「一定の条件下で社葬費用が損金処理できる」といった税制上のメリットもあります。そのため、企業の規模にかかわらず取り入れられている葬儀の形式です。
公正取引委員会の「葬儀の取引に関する実態調査報告書」では、社葬の定義は次のように示されています。
企業の創業者や会長・社長、社業に多大な功績を残した故人に対して、顕彰の意味を込めて当該企業が主体となって執り行う葬儀。社葬に先んじて、遺族・親族による密葬が行われることが一般的。
社葬の準備期間は非常に短く、企業内部での迅速な対応が求められるため、事前にしっかりとした計画が必要です。とくに、段取りや役割分担については、綿密な打ち合わせが欠かせません。
社葬の対象となる人
社葬の対象となるのは、主にその企業にとって特別な功績を残した人物です。
会社の創業者や社長、副社長、会長、専務、常務などの役員
社葬の主な対象者は、企業のトップとして会社を支えてきた人物です。
企業の発展に特別な功績を残した社員
役職に関わらず、企業の成長に多大な貢献をした社員も対象となる場合があります。
勤務中に不慮の事故などで亡くなられた社員
企業の活動中に命を落とした場合、その功績に敬意を表する意味で社葬が執り行われることがあります。
上記以外でも、亡くなられた方の貢献度や死亡事由によって、社会通念上、企業として弔うべきと考えられる場合は、企業の判断で社葬を行うケースも見られます。
社葬について、ご不明点や疑問点などがございましたら、お気軽に「大野屋 葬儀の相談窓口」までご相談・お問合せください。
2.社葬と一般葬の違い
社葬と一般葬の大きな違いは、葬儀の責任者と費用の負担者です。
本来葬儀は、喪主(葬儀を主催する責任者)と施主(葬儀の費用を担う人)が分担して執り行うものでした。しかし、近年の一般葬では、喪主が施主を兼任することが多く、合わせて「喪主」として扱われるのが一般的です。
ただし、社葬の場合は、遺族が喪主、企業が施主となり、費用の一部または全部を会社が負担します。また、社葬では「葬儀実行委員会」が編成され、葬儀実行委員長が社内外の対応窓口となります。葬儀実行委員長には、役員や総務部責任者などが選出されるのが一般的です。
また、企業の代表(会長逝去の場合は社長、社長逝去の場合は副社長など)が「葬儀委員長」となり、全体の責任者に就く場合もあります。
3.社葬の種類と行うタイミング
ひとことに社葬といっても、形式の違いから主に「社葬」「合同葬」「お別れの会、偲ぶ会」の3種類に分かれます。ここでは、それぞれの特徴を解説します。
社葬
社葬は、企業が「施主」となって執り行う葬儀のことで、主に故人の顕彰や、社内・社外に対してメッセージを発信する役割を持ちます。
社葬は、会社の規模や故人の地位、功績に応じてさまざまな規模で行われます。社葬の場では、故人の生前の功績が詳しく紹介されることが多く、会社関係者や取引先、さらには社会的に影響力のある人物が会葬するのが一般的です。
このように社葬は、会社関係者の会葬が中心となります。そのため、社葬に先んじてご遺族・親族のみで故人を偲ぶ「密葬」が行われ、近しい方々だけで故人との別れの時間を過ごします。
社葬は、四十九日法要の前(密葬から40日前後)に行われるのが一般的です。故人が亡くなられてから1ヶ月ほどの時間がありますが、企業によっては社葬の規模が大きくなり、会葬する方も多数にわたることもあるため、社内規定を整え迅速に準備を行うことが重要です。
合同葬
合同葬は、遺族と企業が共同で執り行う葬儀のことです。合同葬では、ご遺族が喪主を務め、企業が施主として参加します。
合同葬は、企業と故人のご遺族が協力して行うため、企業の意向とご遺族の意向をバランス良く反映させることが可能です。一般的には、企業が葬儀の費用の一部を負担し、ご遺族や親族に加えて、企業関係者や取引先なども多く会葬します。また、合同葬の場合は、ご遺族・親族のみの密葬は、執り行われないのが一般的です。
合同葬は故人が亡くなれてから1週間以内に行われます。そのため、早急に企業とご遺族とで話し合いを行い、段取りを整える必要があります。
お別れの会、偲ぶ会
お別れの会や偲ぶ会は、葬儀とは異なり、故人を偲びながら、故人と縁のあった人々が集まる非宗教的なセレモニーです。
お別れの会や偲ぶ会は、四十九日法要の前(密葬から40日前後)に行われることが多く、会葬者が自由に故人との思い出を語り合う場として設けられます。形式にとらわれず、故人を偲び別れを告げるための場として、軽い食事や飲み物が提供されることもあります。
4.社葬の費用と経費(損金処理)
社葬には多くの費用がかかりますが、その金額は社葬の規模や企業の方針によって大きく異なります。一般的には、数百万円から数千万円に及ぶことが多く、大規模な社葬ではさらに多額の費用がかかる場合もあります。
社葬に費用には、葬儀場の使用料、会葬者への対応費用、広告費、祭壇費用などが含まれます。
また、社葬に関わる費用の一部は、企業の経費(損金)として処理することが可能です。社葬費用を損金として処理すると、企業の課税対象となる利益から控除できるため「会社の税負担を軽減できる」という税務上のメリットもあります。
ただし、損金処理が認められるためには、いくつかの条件があり、国税庁のHPでは、以下のように示されています。
法人が、その役員または使用人が死亡したため社葬を行い、その費用を負担した場合において、その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、その負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、その支出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。
損金処理のためには、まずは、故人が企業に対してどのような貢献をしたか、その貢献度合が判断基準となります。たとえば、企業の創業者や社長、役員など企業の成長に対して多大な貢献をした人物が対象となります。また、役職や功績によって、会社が負担する費用や範囲を社内規程で定めている場合もあります。
さらに、亡くなった事由も重要な要素です。たとえば勤務中の事故などで亡くなられた場合は、損金処理が認められることがあります。
ただし、損金処理が認められる場合でも、税法上損金として認められない費用もあるため、注意が必要です。
損金処理できる費用
・案内状の作成・発送費用
・祭壇料
・花輪や花束の費用
・葬儀場の使用料
・宗教者へのお礼(お布施など)
・会葬者へのハイヤー代および送迎バス代
・会葬者への御礼(礼状および粗品)
・社葬・合同葬を手伝った社員に対する簡単な慰労会費用・食事代
・葬儀社警備などの人件費
・写真・ビデオ撮影料など
・会葬礼状の費用
損金処理できない費用
・死亡診断書費用
・仏具、仏壇
・墓地霊園の費用
・法要、法事の費用
・戒名料
・香典返しの費用
・納骨の費用 など
社葬前に執り行われる密葬の費用は、ご遺族が負担するため損金処理はできません。また、会葬者からの香典は、ご遺族にお渡しする(または会社の雑収入として処理する)のが一般的です。
5.社葬までの段取りと注意点
社葬をスムーズに進行させるためには、周到な準備が必要です。特に、訃報を受けた直後から社葬が終わるまでの段取りは非常に重要で、各ステップで適切な対応を行うことが求められます。
ここからは、社葬までの具体的な段取りと注意点について解説します。
ご逝去直後の社内対応
故人がご逝去された際には、まず社内への緊急連絡を行うことが最優先です。
緊急連絡網などを活用して、速やかに社員へ情報を伝達します。主な伝達内容は「亡くなられた方の氏名」「年齢(享年)」「逝去日」などの基本情報です。こうした事態でも、迅速な連絡対応ができるように、日頃から社内の緊急連絡網やマニュアルを整備・更新しておくことが大切です。
遺族との打ち合わせについて
社葬の進行においては、ご遺族の意志を尊重することが欠かせません。ご遺族との打ち合わせでは、葬儀の日程や形式、費用の按分について話し合い、双方の意見を取り入れながら進めます。ここでは、ご遺族が希望する内容と企業としての方針を、うまく調整することが求められます。
緊急役員会の開催
ご逝去直後には、社内連絡と同時に緊急役員会を開催し、以下の基本方針を決定します。この緊急役員会での決定事項は、以後の社葬準備の進行において重要な指針となります。
緊急役員会で決定すべき項目
・社葬の規模と形式
・社葬の日時と場所
・依頼する葬儀社
・予算の算出
・葬儀実行委員長の選出
・香典や供花、供物の選定
社内通達
緊急役員会で決定した事項を、速やかに社内へ通達します。
社葬の対象となる方は、社会的地位があり著名な場合も少なくありません。そのため、社外からの問い合わせも多くなることが予想されます。こうした問い合わせへの対応を的確に行うためにも、社内通達は迅速に行いましょう。
また、会葬する社員への範囲や役割分担もこの段階で明確にします。
社外通知
社葬を執り行うことが決定したら、社葬連絡簿に基づいて関係者へ案内状を送付します。案内状の内容は、シンプルかつ正確に情報を伝えることを心がけます。
通常、挨拶文は入れず、葬儀または告別式の日時や場所、葬儀委員長や喪主の名前、問い合わせ先の部署などの必要最低限の情報を記載します。これにより、受け取る側も内容を簡潔に理解でき、スムーズな会葬が可能となります。
ただし、重要な取引先や関係団体のトップ、故人と深い関わりを持っていた政治家など、企業にとって重要な関係者には、通常の案内に加えて特別な配慮が必要です。案内状が届いたタイミングを見計らい、相手方に対して確認の連絡を入れましょう。
また、新聞に訃報記事を載せる場合は、葬儀社または新聞社に直接連絡を行います。
社葬進行要領の決定
社葬進行要領とは、社葬当日の流れを詳細に計画したものです。葬儀実行委員長の指揮のもと、葬儀実行委員が中心となって決定します。
社葬進行要領には、会葬者の誘導や献花の順序、式全体のタイムテーブルなどの具体的事項が含まれており、当日のスムーズな進行を支える重要な計画書となります。
社葬のリハーサル
社葬の前日には、葬儀実行委員会のメンバーでリハーサルを行います。社葬進行要領に従い、動線や時間配分を確認することで、当日の不測の事態を防ぎ、式を滞りなく進行させることができます。
6.一般的な社葬の流れ
ここからは、一般的な社葬の流れについて解説します。
1.開式の辞
社葬は、葬儀委員長(企業の代表者)または司会者による開式の辞で始まります。ここでは、会葬者に対して式の開始を告げ、社葬の意義や故人を偲ぶための場であることを簡潔に説明します。
2.黙祷
開式の辞に続いて、会葬者全員で黙祷を捧げます。黙祷は、故人の冥福を祈るための厳粛な儀式であり、全員で静かに祈りを捧げます。
3.故人の経歴紹介
黙祷の後、故人の経歴が紹介されます。ここでは、故人が企業や社会に対してどのような貢献をしてきたか、故人の人生と業績を振り返りながら会葬者に伝えます。
4.弔辞
故人を偲ぶ言葉として、企業の代表者や社員、取引先などから弔辞が述べられます。弔辞では、故人への感謝や思い出が語られ、その人柄や功績を称える内容が含まれます。
5.弔電奉読
弔電奉読では、遠方にいるなどの理由で会葬できなかった取引先や関係者からの弔電を読み上げます。これにより、故人への追悼の意を伝えるとともに、広く多くの人々から敬意が寄せられていることを示します。多くの弔電をいただいた場合は、代表して2〜3通を読み上げるのが一般的です。
6.葬儀委員長謝辞
葬儀委員長から、故人の経歴や功績を伝えるとともに、会葬者や弔電を送ってくださった方々に対して謝辞を述べます。
7.喪主挨拶
喪主挨拶では、遺族を代表して喪主が会葬者に感謝の意を伝え、故人が生前にお世話になったことに対するお礼の言葉を述べます。
8.葬儀委員長献花・焼香
葬儀委員長が、故人に対して最初に献花を行います。献花は、故人への敬意と感謝を示す行為であり、社葬の中で特に重要な儀式の1つです。また、献花の代わりに焼香を行う場合もあります。
9.喪主献花・焼香
葬儀委員長に続いて、喪主が献花または焼香を行います。これにより、ご遺族としての最後のお別れを告げ、故人への深い愛情と敬意を表します。
10.遺族・親族献花・焼香、来賓・会葬者献花・焼香
葬儀委員長、喪主に続き、ご遺族や親族が献花・焼香を行い、その後に来賓や会葬者が献花・焼香を行います。
ただし、多くの方が会葬する社葬の場合、全員が献花・焼香を行うのではなく、代表者のみが行うケースも多く見られます。事前に、献花・焼香を行う人を確認しておきましょう。
11.閉式の辞
すべての儀式が終了した後、葬儀委員長または司会者が閉式の辞を述べ、社葬が無事に終了したことを告げます。これにより、社葬の一連の流れが正式に締めくくられます。
社葬後には会葬礼状をお渡しする
社葬が終了したあとには、お帰りのタイミングで会葬者の方に「会葬礼状」というお礼状をお渡しします。会葬礼状は、会葬へのお礼の意味があるため、社葬が終了したあとにお渡しするのが妥当ですが、式の進行によっては受付の際にお渡しする場合もあります。
<会葬礼状の文例>
拝啓
この度は、故(故人の名前)の社葬に際しまして、ご多忙中にもかかわらずご会葬賜り、誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
(故人の名前)は生前、皆様方より、多くのご支援をいただきましたことを、深く感謝申し上げます。また、皆様のご厚情を賜り、社葬を無事に執り行うことができましたこと、厚く御礼申し上げます。
略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
企業名
代表者名
7.葬儀実行委員の当日の役割
葬儀実行委員とは、社葬を円滑に執り行うために選ばれた役員や社員で構成される組織です。この組織の上には、会社を代表する葬儀委員長が任命され、社葬全体の総責任者を務めます。
ここでは、葬儀実行委員が社葬当日に担う具体的な役割を解説します。
葬儀委員長
葬儀委員長は、社葬全体の総責任者として、式の進行を統括する重要な役割を担います。企業の代表者がこの役を務めることが多く、社葬の意義を会葬者に伝え、故人を偲ぶ言葉を述べるなど、式の中心的な存在です。
ご逝去されたのが会長の場合は社長、社長の場合は副社長などが葬儀委員長として選ばれるのが一般的です。また、グループ会社の場合は、親会社の代表などが葬儀委員長を担うこともあります。
葬儀実行委員長
葬儀実行委員長は、現場での責任者として、葬儀の進行が計画通りに行われるように指揮を執ります。式の準備から当日の運営まで、細部にわたって監督し、各担当者との連携を図りながら円滑な進行をサポートします。
葬儀実行委員長には、日頃から、関連各所とのコミュニケーションが多い役員や総務部責任者などが任命されるケースが多いとされています。
葬儀実行委員
葬儀実行委員長のもとには、複数名の葬儀実行委員が選出され、実際の式の進行や会葬者の対応などの実務を担当します。
◇ 運営本部係
運営本部係は、葬儀実行委員長のサポート役として葬儀全体の運営を統括し、各セクションとの連携を取ります。指示を出しながら進行をコントロールし、不測の事態が発生した際の対応も行います。
◇ 受付・クローク、香典・返礼品係
受付・クローク係は、会葬者の受付業務を担当し、香典や返礼品の受け渡しも行います。会葬者の荷物を預かり、返却するクローク業務も含まれます。
◇ 式場案内係
式場案内係は、会葬者を式場内へ案内し、指定された座席に誘導します。式の進行に合わせて適切に誘導することで、会葬者が迷わずに式に参加できるようサポートします。
◇ 接待係(遺族・来賓・宗教者対応)
接待係は、ご遺族や来賓、宗教者のサポートを行います。待機時間は控室などで接待するとともに、式の進行に沿って案内や誘導も担当します。礼儀正しい対応や細やかな心遣いが求められる役割です。
◇ 式場設営、供花・供物係
式場設営係は、会場の設営や装飾を担当し、供花や供物の配置を整えます。万一、不足している備品などがあれば、設営係が手配をし、式が始まる前には会場の最終点検を行います。
◇ 記録・撮影係
記録・撮影係は、社葬の様子を写真やビデオで記録します。これらの記録は、後に故人を偲ぶためや、社内での報告資料、供花や供物の記録として利用されます。また、記録・撮影係は、当日だけではなく、事前に機材のチェックや動作確認、後日には文章による記録を行うこともあります。
◇ 駐車場・場外案内係
駐車場・場外案内係は、会葬者がスムーズに会場に到着できるように、駐車場や会場周辺での誘導を担当します。混雑を避け、安全かつ円滑な移動をサポートします。
8.社葬後に行うこと
社葬が終わった後も、御礼の挨拶まわりや事務処理、遺族への対応など、多岐にわたる業務が待っています。これらの業務を迅速かつ丁寧に行うことは、故人を偲ぶためだけでなく、企業としての信頼を維持するためにも欠かせません。
また、故人の退職金や未払い給与の精算、会葬礼状の送付など、ご遺族や会葬者に対する対応も必要です。そこで、ここからは社葬後に企業が行うべき具体的な対応について解説します。
御礼の挨拶まわり
社葬にご会葬いただいた方々や、弔辞奉読をいただいた方々、故人に対して特別な支援をいただいた関係者への御礼は、社葬後の欠かせない業務の1つです。
企業の代表者や葬儀委員長が中心となり、重要な取引先や来賓に対しては、直接ご挨拶に伺うのが望ましいでしょう。お礼のご挨拶では、感謝の意を伝えるとともに、社葬の無事終了を報告し、今後も引き続き良好な関係を築いていくための意思を表明します。
社葬後の事務処理
社葬が終了した後は、社葬に関連する以下のような事務処理が必要になります。
・会計報告書の作成
・社葬報告書の作成
・弔辞・弔電の整理
・会葬者名簿の作成
・香典・供花・供物の整理
また、社内の連絡体制の見直しや、社葬に関わった社員の業務評価なども必要に応じて行います。
退職金や給与の精算
故人が企業に在籍していた社員の場合、退職金や未払い給与の精算が必要です。これらの精算は、企業としての義務であり、遺族に対して誠実に対応することが求められます。
具体的には、退職金の額を算定し、遺族に対して支払う手続きを行います。また、故人が在職中に未払いとなっていた給与や手当があれば精算を行い、適切に処理します。
弔電をいただいた方への会葬礼状の送付
会葬礼状は、社葬当日に会葬者にお渡しするのが一般的ですが、式への会葬が難しかった方や弔電をいただいた方には、後日郵送にて会葬礼状をお送りします。会葬礼状は、社葬後なるべく早く送付することが重要です。社葬の翌日から数日以内に発送を行いましょう。
9.社葬は意義や目的を理解して、迅速かつ適切に執り行いましょう
社葬とは、企業が主体となり、故人を偲びその功績を称えるために行われる葬儀です。社葬には「社葬」「合同葬」「お別れの会・偲ぶ会」などの種類があり、それぞれに内容が異なります。
また、社葬を滞りなく行うためには、ご逝去直後から迅速な対応が求められます。社内では葬儀実行委員が設置され、その代表である葬儀実行委員長の指揮のもと、適切に準備を進めます。また、社葬が終わっても、挨拶まわりや事務処理などの業務が続きます。
限られた時間の中で、多岐にわたる準備を整える必要がある社葬ですが、故人がご逝去されたあとも、企業の信頼と成長を損なわないために必要な大切な行事です。ぜひ、この記事を参考に、社葬の意義や目的を理解して、適切な準備を整えておきましょう。
メモリアルアートの大野屋では、社葬の準備から当日のサポートまで一貫して承ります。
準備段階では、ご遺族様との調整や、社外通知(案内状の発送)、ホテル葬の場合はホテルとの調整、リハーサルなども丁寧にサポートいたします。社葬当日には、貴社ご担当者様と連携し、当社スタッフが各セクションでのサポートや会葬者様の誘導を的確に行います。
社葬について、ご不明点や疑問点などがございましたら、お気軽に「大野屋 葬儀の相談窓口」までご相談・お問合せください。